「誹謗中傷・風評被害対策」 よくある質問

 

Q1. ネット上の書込みをした人間を特定する方法はありますか。

はい。あります。

 

①例えば、掲示板に書き込みがされた場合、サイトやサーバーの管理者に対し,IPアドレス、利用者識別番号等の開示を求めます。(すぐに裁判することもあれば任意で請求することもあります)

 

①’任意での開示を拒否された場合、管理者に対しIPアドレス等の開示を求める仮処分申立てをします。

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②IPアドレス等が開示されても、発信者の住所・氏名は分かりませんので、次に、プロバイダーや携帯電話の事業者等に氏名・住所の開示を求めます。

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②’任意での開示を拒否された場合(通常拒否されます。】プロバイダーを相手方として発信者情報開示請求訴訟を提起します。

 

 

このように、書込みをした人を特定するために、サイトやサーバーの管理者やプロバイダーに対し順を追って情報の開示を請求しなければなりません。プロバイダーや携帯電話の事業者から開示された後に、やっと名誉毀損等を理由に損害賠償請求をしていくことになります。
ややこしいし煩雑だと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、現行の法制度ではこのような手続を経なければならないのです。

 

 

 

Q2. ネット上に名誉棄損やプライバシー侵害の書込みをした人を逮捕してもらえますか。

逮捕してもらえる可能性はあります。
 

名誉棄損やプライバシー侵害の書き込みに対しては,民事上,損害賠償請求できますが,刑事上も,名誉棄損罪(3年以下の懲役等)や侮辱罪(拘留または科料)にに当たり得る行為ですので,被害届や告訴をして,警察に捜査を求めることができます。
 
ただ,警察は民事上の問題に介入させられることを嫌がりますので(「民事不介入の原則」などと言われます。),警察が逮捕するというのは相当悪質な事案で逮捕の必要性がある事案に限られるでしょう。

 

しかし,加害者を逮捕しないまでも,警察がプロバイダー等に発信者の情報の開示を請求して,加害者を特定した後,逮捕せずに捜査を進める場合もあります。警察に被害相談をすることは無駄にはなりません。

 

警察はあなたの代理人として捜査するわけではないですし,損害賠償請求をしてくれるわけではありませんが,悪質で執拗な被害を受けている場合には,警察への相談も検討しましょう。

 

その場合も,弁護士に相談し,事実関係を整理して法的構成を明らかにしてから,被害届等を提出する方が,警察での話がスムーズに進みます(門前払いされずに警察に話を聞いてもらいやすくなります)。

 

<参考条文 刑法>

(名誉毀損)
第二百三十条  公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二  前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
(侮辱)
第二百三十一条  事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
 

 

 

 

Q3. 故人の名誉を棄損された場合,誰が名誉棄損を主張できるのですか。

そうですよね。本人が亡くなっているのですから、本人はもちろん名誉毀損された!とは主張できませんね。では主張できるなら遺族なのかな、と思われる方も多いと思います。

遺族ができることはできるのですが、できる場合が限定されていますので、どういうことなのか説明していきますね。

 

刑法上は死者の名誉については,虚偽の事実による名誉棄損の場合のみ名誉棄損罪が成立するとされています(刑法230条2項)。

(ちなみに、生きている人間の場合は、真実であったとしても公共の利害に関する事実ではないか、公益目的がない場合には名誉毀損となります。)

民事上、死者に対する名誉棄損が成立するかについては、様々な見解があり、はっきりしません

しかし、死者に対する名誉棄損が遺族に対する名誉棄損になれば、遺族に対する名誉棄損が成立し、遺族が損害賠償請求することができます。

例えば、殺人事件の被害者が、不倫な異性関係を有する女性という印象を抱かせる記事が新聞に掲載されたのに対し、被害者の母と姉が名誉棄損を主張した事件があります。こんなことを書かれて、これが事実でないならば、亡くなった娘が可哀想でならないです。本人は死んでいて反論もできないのですから。

 

この事件で、裁判所は母に対する名誉棄損を認めました。なお,姉については名誉棄損の成立が否定されています。(裁判所の判断としては、亡くなった本人に対する名誉毀損が、母親に対する名誉毀損にもなっているけれども、姉に対する名誉毀損は成立していないということなのです。)

 

判決の内容を見てみましょう。「新聞記事の掲載が虚偽の事実をもつて死者の名誉を毀損し、これによつて近親者の名誉をも毀損するに至る場合には、右記事掲載は近親者に対する不法行為を構成する」(静岡地裁昭和56年7月17日判決)となっています。

不法行為を構成する=損害賠償請求が認められるということです。

 

ちなみに、死者に対する名誉棄損が遺族に対する名誉棄損に当たらなくても,死者に対する敬愛追慕の情等の人格的法益を、社会的に妥当な受忍の限度を越えて侵害した場合には,遺族に損害賠償請求が認められた判例があります。

 

【結論】遺族が名誉毀損で相手方を訴えることはできるのですが、認められる場合が限定されているので、そこに注意が必要です。

 

まずは死者に対する名誉毀損が遺族に対する名誉毀損にも当たるのかどうかを考えて、次に、当たらないとしても、死者に対する敬愛追慕の情等の人格的法益を、社会的に妥当な受忍の限度を越えて侵害した場合には,遺族に損害賠償請求が認められることがある、と考えて、法的手続きをどうしていくかを決めます。

 

↓より突っ込んだ法律論を知りたい方のために↓

「死者の名誉を毀損する行為により(例えば死者の名誉毀損に藉口するなどの方法により)、遺族等生存者自身の名誉が毀損されるときは、右生存者自身に対する名誉毀損の、法行為を以て論ずべきはいうまでもない。ところが、死者の名誉毀損が右のような場合にあたらず、あくまでも死者の名誉毀損にとどまるときはいかがであろうか。

現行法制の下においては、憲法二一条、刑法二三〇条二項、民法七〇九条以下不法行為に関する法条、その他関連の諸法規諸法条に鑑み、死者の名誉を毀損する行為は、虚偽虚妄を以てその名誉毀損がなされた場合にかぎり違法行為となると解すべきであり、そして、故意又は過失に因り、虚偽、虚妄を以て死者の名誉を毀損し、これにより死者の親族又はその子孫(これと同一視すべき者をふくむ。以下同じ。以下単に遺族という)の死者に対する敬愛追慕の情等の人格的法益を、社会的に妥当な受忍の限度を越えて侵害した者は、右被害の遺族に対し、これに因って生じた損害を賠償する責に任ずべく、また裁判所は、右被害を受けた遺族の請求に因り損害賠償に代え又は損害賠償と共に死者の名誉を回復するに適当な処分を命ずることができるものというべきである。」

「落日燃えゆ事件」(東京地裁昭和52年7月19日判決)

 

 

 

Q4. 裁判はどこで行われるのですか。

発信者情報開示又は消去禁止の仮処分は、原則として、相手方となるプロバイダー等の本店所在地の裁判所、多くの場合、東京地方裁判所ですが、一部ケーブルテレビが相手方となる場合には、そのケーブルテレビ局の本店所在地の地方裁判所となります。
(専門的に言えば、債務者の普通裁判籍の所在地にのみ管轄があるということです。)

 

投稿記こと削除の仮処分については、依頼者の住所地の地方裁判所となります。福岡市にお住まいの方であれば福岡地方裁判所で行われることになります。
(専門的に言えば、依頼者がネット上の書込みを見た場所(つまり住所地)が「不法行為があった地」であると考えています。)

 

発信者情報開示仮処分とは別に発信者情報開示請求訴訟がありますが、これも発信者情報開示仮処分と同様にプロバイダー等の本店の所在地の地方裁判所、多くの場合は東京地方裁判所となります。

 

投稿した人を特定した後の損害賠償請求訴訟は、依頼者の方の住所地の地方裁判所となりますので、福岡市在住の方であれば福岡地方裁判所で裁判が行われることになります。
(専門的に言えば、損害賠償請求訴訟は、財産上の訴えであるから、義務履行地である原告の住所地を管轄する地方裁判所が管轄があるのです。)

 

どこの裁判所で裁判が行われるとしても、依頼者の方が裁判所に出頭して頂く機会は非常に少ないです。ほとんどの場合は、弁護士だけが出頭することになります。
また、遠方の裁判所で裁判が行われる場合には、弁護士は電話会議システムを利用して出廷することができる場合があります。

 

 

Q5. サイトやサーバーの管理者が外国法人である場合は外国で裁判をしなければならないのですか。

サイトやサーバーの管理者が外国法人であることは珍しくありません。しかし、外国で裁判をする必要はなく、日本法人と同様に、発信者情報開示仮処分と消去禁止仮処分は、東京地方裁判所で裁判手続を行うことができ、投稿記こと削除の仮処分は依頼者の方の住所地の地方裁判所で仮処分を行うことができます。

 

 

Q6. イニシャルや一部伏せ字で誹謗中傷されています。このような場合にも、発信者の特定、削除請求や損害賠償請求できるのですか。

書込みが相談者の方を対象としていると特定されなければ、相談者の方の名誉毀損とはなりません。

例えば、相談者の方の氏が鈴木太郎さんである場合、「S・Tは窃盗犯だ」という書込みがあっても、それだけでは相談者の方を対象としているとは特定しているとは言えません。
しかし、「鈴木は窃盗犯だ」の書込みの前後に「S・Tは○○株式会社の部長だ」などの書込みがあって、実際、鈴木太郎さんは、○○株式会社の部長であって、その会社の部長にはイニシャルがS・Tである人は他に存在しないのであれば、この記ことは鈴木太郎さんの社会的評価を低下させる書込みだと言えます。

 

一部分が伏せ字(「鈴▲」、「伊●」等)で書込みされている場合があります。このような場合もイニシャルの場合と同じです。
例えば、「ソフトバンクホークスの●藤監督」という書込みがあれば、それが工藤監督を示すことは明らかですよね。

 

photo by Beshef

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